写真日記

2025年08月26日

シベリア・モンゴル抑留者追悼式で哀悼の誠を捧げる

8月23日、ながつま昭は、シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集いに参列し、ご挨拶をさせていただきました。

以下は、その全文です。

スターリン指令によりシベリア抑留がはじまって今日で80年となりました。シベリア抑留犠牲者の集いの開催にあたり、シベリア・モンゴルで亡くなられた強制抑留者の方々に謹んで哀悼の誠を捧げます。

私が厚生労働大臣を務めていた際に制定された「シベリア特措法」により、ご存命である約6万9000人の生存者の皆様に強制労働の対価見合いとしての特別給付金をお届けすることができました。

しかし、未だ遺骨収集や国籍条項の問題等が積み残しとなっています。国が把握するシベリア・モンゴルでお亡くなりになった抑留者5万5000人のうち、今年6月末時点で、収容されたご遺骨は2万1960柱、しかも、DNA鑑定されご遺族に戻ったのは1280柱にすぎません。取り組みを加速させるよう政府に強く要請してまいります。

加えて、抑留を含む戦争の記憶を次世代に継承するための取り組みも加速させる必要があります。民間が所有する戦争の記録や日記、手紙、写真などを収集保管する施設や仕組みが、現在、政府にはありません。

今、中国や韓国の研究機関などが、そのような民間が保有する戦争の記録を日本から積極的に収集して持ち帰っています。

今こそ、資料や証言を一元的に保存・公開できる「国立戦争資料館」のような施設を新たに整備することが重要です。

当時、勝てない戦争を始めざるを得なかった背景にある、政治や社会に充満していた空気の力が、今も引き継がれていないでしょうか?貴重すぎる戦争の教訓を私たちは本当に胸に刻んでいるのでしょうか?

常に自問自答しながら、二度と「国策の誤り」を犯さないように普段の努力をしてまいります。

結びに、異教の地で命を落とされた御霊に謹んで哀悼の誠を捧げるとともに、ご遺族、そして本日ご参列の皆様のご健勝とご多幸を祈念し、私の追悼の言葉といたします。ありがとうございました。